ここ数週間は、音声分野のなかの特に口腔断面図の理解に時間を割いています。
これらの図を初めて見た時はどこがどう違うのかさっぱり分かりませんでしたが、自分で声を出しながら繰り返し学習したことにより、ようやく分かってきました。
ポイントは、以下の3ヶ所が閉じているか開いているかです。
● 口蓋垂(のどちんこ)
● 舌
● 唇
今回は全てではありませんが、基本となる子音の特徴を、ア段で説明します。
皆さんも実際に声に出して確認してみてくださいw
1.[k]カ [g]ガ
発声する際、舌が奥に移動し、上顎の奥(軟口蓋)に触れます。(発声後に離れます。)
このような音を破裂音といいます。
また「[k]カ」のように声帯が振動しないものを無声音、「[g]ガ」のように声帯が振動するものを有声音といいます。(以下同様。)
2.[s]サ
舌が上顎につくことなく、唇の間を狭めながらも開いたまま発声します。
このような音を摩擦音といいます。
なお有声音の「[z]ザ」については語頭(破擦音)か語中(摩擦音)かで発声が変わるので今回は詳しい説明は割愛します。
3.[t]タ [d]ダ
「[k]カ [g]ガ」同様に破裂音ですが、発声にする際に舌が上顎(歯茎)に触れます。(発声後に離れます。)
4.[n]ナ
口蓋垂(のどちんこ)が咽頭壁に付つかず鼻腔への通路が開いています。
このような音を鼻音といいます。
一方、舌先は「[t]タ [d]ダ」同様に発声にする際に舌が上顎(歯茎)に触れます。(発声後に離れます。)
5.[m]マ
「[n]ナ」同様、口蓋垂が咽頭壁に付つかず鼻腔への通路が開いている鼻音です。
一方、舌先は上顎(歯茎)に触れることなく、発声時に上下の唇が閉鎖します。(発声後に離れます。)
6.[P]パ [b]バ
「[m]マ」同様、発声時に上下の唇が閉鎖しますが、口蓋垂は咽頭壁に付いた状態です。
「[k]カ [g]ガ」「[s]サ [z]ザ」同様、破裂音となります。
いかがでしたでしょうか。
同じア段の子音でも随分と違う動きをしているんです。
私たち人間は、「カ」という音を出したかったら唇、舌、のどちんこを瞬時に動かして「カ」という音を出しているわけです。
しかも連続して次の音を出していくわけですから、無意識に大変高度なことをしているのです。
そう考えると、既に日本語をマスターしている日本人にとって、英語などの外国語をマスターする条件は、八割方整っているといえるかもしれません。
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