フランス語を学び始めて、英語との違いでまず目に付くのが、これらの綴り字記号 (signes orthographiques) ではないでしょうか。
多くの基本単語にも付いていますし、なりよりフランス語らしさを醸し出しているので、初学者のうちに親しくなりたいところです。
以下の単語の表示は、「フランス語(発音):英語/日本語」となります。(形容詞は「男性形/女性形」)
また、カタカナ発音は、プチ・ロワイヤル仏和辞典(第5版)を参考にしています。
1.accent aigu(アクサン・テギュ):é
こちら記号は e のみに付きます。
通常フランス語の e は「ウ」に近い発音ですが、この記号が付くと「エ」に近い発音になります。
américain/américaine(アメリカン/アメリケーヌ): American/アメリカの
biére(ビエール): beer/ビール
café(カフェ): coffee/コーヒー
cinéma(シネマ):movie, cinema/映画、映画館
thé(テ): tea/紅茶
zéro(ゼロ): zero/零
2.accent grave(アクサン・グラーヴ):à è ù
上述のアクサン・テギュと形が似ているので、覚えるのがややこしいです。
違いの根拠などもないようです、、
こちらの記号のほうが登場頻度が少ないので、こちらを優先的に覚えるのがコツかもしれません。
役割は、アクサン・ティギュ同様 e の発音を「エ」に変えるなどの機能に加えて、意味を変える役割もあります。
例えば、ou(ウー:or/または)は、記号がつくと、où(ウー:where/どこに)に意味が変わります。
frère(フレール):brother/兄弟
kilomètre(キロメートル):kilometer/キロメートル
là(ラ):there/そこ
mère(メール): mother/母
où(ウー):where/どこに
père(ペール):father/父
3.accent circonflexe(アクサン・スィルコンフレックス):â ê î ô û
こちらの記号も e の発音を「エ」に変えるなどの役割があります。
一方、gâteau(cake /菓子)に記号が付いても bateau(ship/船)には付かないなど、厳密な規則性はありません。(気合いで覚えましょう、、)
château(シャトー):castle/城
dîner(ディネ):dinner/夕食
tête(テット):head/頭
gâteau(ガト):cake/菓子
hôtel(オテル):hotel/ホテル
4.tréma(トレマ):ï ü ë
フランス語は2つ以上の母音が組み合わさって1つの音を作ります。
例えば、mais(but/しかし)の ai は「メ」と発音しますが、こちらの記号がついたmaïs(corn/とうもろこし)は「マイス」と母音を分けて発音します。
Citroën(スィトロエン):Citroen/シトロエン
maïs(マイス):corn, maize/とうもろこし
naïf/naïve(ナイフ/ナイーヴ):naive/お人よしの
Noël(ノエル):Christmas/クリスマス
5.cédille(セディーユ):ç
こちらの記号が付くことによって、発音が、ca「カ」がça「サ」に、co「コ」がço「ソ」に変化します。
français/française(フランセ/フランセーズ):French/フランスの
garçon(ガルソン):boy/少年
leçon(ルソン):lesson/授業、課
いかがでしたでしょうか。
フランス語に限らず、どんな言語も長い歴史の中で今のルールがあるので、合理的に説明できない点も多々あります。
いちいち「なんでやねん」とつっこんでいてもキリがないので、仲良くなってどんどん進んでいきましょう!
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