先日のブログで、モダリティという聞き慣れない単語がでてきたので説明しました。
その後テキストを読み進めると、聞きなれないカタカナ用語が大量に出てきたので、以下に纏めてみました。
コーパス(corpus)
言語調査や研究のためのデータベースで、実際に使用された言語資料を体系的に収集し、研究用の情報を付け加えたもの。
→ 三省堂のウィズダム英和辞典が、コーパスを精緻に分析した辞典として有名です。
動詞の表す出来事の段階を表すもの。以下はその一例。
開始:絵を描き始める。
継続:絵を描き続ける。
終了:絵を描き終える。
ちなみに、ロングマン英英辞典では以下のような説明です。
The form of a verb in grammar that shows whether an action is continuing, or happens always, again and again, or once.
'He sings' differs from 'He is singing' in aspect.
(文法における動詞の形式で、動作が継続しているか、常に発生しているか、繰り返しているか一度きりかを表す。
「彼は歌う」と「彼は歌っている」は、アスペクトが異なる。)
ダイクシス(deixis)
直示。言葉の意味が発話の状況に大きく依存する表現のこと。
「そこ」などの指示代名詞や、「彼」などの人称代名詞、「今日」などの時の名詞など。
アカルチュレーション (acculturation)
文化変容。異文化に接したとき、新たな文化に適応するため、その文化の一部を学び始める段階のこと。
アシミレーション (assimilation)
同化。上記文化変容後、個人が完全に異文化を受け入れ、内面化できるようになった段階のこと。
アサーティブ・コミュニケーション(assertive communication)
相互尊重のコミュニケーション。自分の権利を主張すると同時に、相手の権利も尊重し、相互に理解し合うコミュニケーションのこと。
モーラ(mora)
拍。音韻論上、一定の時間的長さをもった音の分節単位。
アノミー(anomie)
異文化に接したとき、それまでの価値観とは全く異なる状況になり、どう対応してよいか分からなくなるような混乱状態や疎外感のこと。
エポケー(epoche)
判断保留。異文化において遭遇する諸現象について、自分の価値判断によって早急に判断するのではなく、意識的に一旦判断を停止すること。
上記アノミーに陥った際に、一時的に混乱を回避する役割を持つ。
メタファー(metaphor)
隠喩。類似性の連想に基づき、あるカテゴリーに属する何かを、別のカテゴリーに属する他のもので示すこと。
(例)晴れ晴れとした気分。
曇った表情。
メトニミー(metonymy)
換喩。あるものを隣接関係にある他のもので示すこと。
(例)鍋を食べる。(鍋そのものを食べたわけでなく、鍋の中身をたべたことを表す。)
シネクドキー(synectoche)
提喩。上位概念で下位概念を指したり、下位概念で上位概念を指したりすること。
(例)花見に行く。(「花」という上位概念で、下位の「桜」を指す。)
コーヒーでも飲みに行こう。(「コーヒー」という下位概念で、上位の「」)
シミリー(simile)
直喩。「〜のようだ」のように、ある事柄を他のものにたとえる方法。
(例)盆のような月。
エスノセントリズム(ethnocentrism)
自民族中心主義。自己の属する集団のもつ価値観を中心にして、異なった人々の集団の行動や価値観を評価しようとする見方や態度。
カルチュラル・レラティビズム(cultural relativism)
文化相対主義。ある文化の行動様式を他の文化の基準で判断するのではなく、その文化の問題や機会などを考慮に入れて判断しなくてはならないという考え方。
プロクセミクス(proxemics)
近接空間学。エドワード・ホールによる、人と人との距離の取り方について体系化したもの。密接距離、個人距離、社会距離、公的距離の4つに分類。
リンガ・フランカ(lingua franca)
広義の共通言語のことで、現代では英語を指す。
「フランク王国の言葉」を意味するイタリア語に由来。
いかがでしたでしょうか。
こういったカタカナ語は、元の言語でも理解しながら、一般教養としても蓄積していきたいです。
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